赤ちゃんに大人の指を握らせるとギュッと握ると聞きましたが、うちの子は軽く握るだけです。何か病気ではないかと心配です。(1ヵ月)

月齢の小さな赤ちゃんが、赤ちゃんの手のひらに触れたときにギュッと指を握ってくるのは「把握反射」(はあくはんしゃ)と呼ばれる原始反射のひとつです。原始反射は、脳からの指令とは関係なくまわりからの刺激によって引き起こされる体の動きをいいます。他にも代表的なところでは「吸てつ反射」「モロー反射」「引き起こし反射」「原始歩行」などがあり、いずれも生まれたばかりの赤ちゃんの生命を維持するための動作です。そして、赤ちゃんが自分でいろいろできるようになってくると、この原始反射は見られなくなりますが、種類によって消える時期はさまざまです。

また、原始反射の現れ方や消える時期には個人差があり、筋肉が発達している子の方が強い傾向があるそうです。原始反射があるはずの時期になかったり、極端に弱かったりする場合は病気を心配されるかと思いますが、生まれたときや1ヵ月健診で必ずチェックしています。今まで病院から何も言われず、その後の発育・発達も順調なご様子であればご心配される必要はないと思います。

参考文献:【小児科医監修】赤ちゃんの把握反射とは?いつまで?弱いときは?Baby-mo子どもの発達と診断1 乳児期前半 (田中昌人/田中杉恵)大月書店