生後1ヵ月を過ぎるころから、赤ちゃんは自分の手を口に入れるようになります。指しゃぶりの始まりです。
 月齢が小さいうちは、まだ手を動かすことや指を口でしゃぶるのが下手です。手がうまく口の中に入らずに、イライラして泣き出したり、こぶしごと口に入れようとしたり、指しゃぶりがなかなかうまくできません。時には、口の中に手が入りすぎて、オェっと涙目になったりすることがあるので、吐き癖がついたりしないか、将来自分で手を入れて吐くようにならないかと心配になることもあります。
 初めは、動かしている手がたまたま口に入ってきたのをしゃぶるだけなので、反射で顔が動いてしまったり、手が口の中に入りすぎたりして、うまくいかないことがあります。やがて、自分の意志で上手に手を口に持っていき、自由にしゃぶるようになります。オェっとなったり吐いてしまったりするのは、手の入れ加減がうまくいっていないだけで、それが将来の吐き癖につながることはありません。
 自分で動かせるようになった手を自分の意志で口に入れ、その感触を楽しむ。指しゃぶりは、赤ちゃんが自分からする初めての遊びともいえるでしょう。手指の動きがもっと発達して手がいろいろなことに使えるようになると、しだいに口に入れることは少なくなっていきます。