授乳中はいつも睡眠不足で、「もっと寝た~い」と思うママも多いのではないでしょう か。
睡眠については、まだまだわからないことが多いといわれています。動物の睡眠はさまざまで、キリンの睡眠時間は3時間ほど、イルカは片目をつむって寝る、つまり片方ずつの脳を休めるそうですよ。コアラは消費エネルギーを減らすために20時間も寝るとか。動物の睡眠は、外敵から危険を回避するためや、エサの獲得方法などによってそれぞれの睡眠に進化し、多様化しているのですね。
一方、人間はというと個人差が大きいともいわれますが、NHK国民生活時間調査によると日本人の平均睡眠時間は2005年では7時間22分。1960年には8時間15分あったということですから、年々減少傾向にあるようです。また、夜寝る時間も遅くなり、夜10時に寝る人は1960年には60%以上でしたが、2005年では25%にまで減っているという調査結果もあります。

睡眠は、脳や身体を回復させ、起きていたときに受けた刺激や情報を整理して記憶する役割があり、とても大切なものです。わかっていても、なんとなく夜遅く帰宅するパパを待っていたり、スマホやパソコンを使ったりテレビを見たりなど夜ふかししていませんか。
授乳中は「何回も起こされて…」とか「熟睡していない…」と思いがちですが、プロラクチンというホルモンが、母乳分泌だけでなく短時間の睡眠でもママの身体が回復するように働いているそうです。案外必要な睡眠は取れていると思って大丈夫です。赤ちゃんのお昼寝のときにはママも一緒に寝るようにして、なるべく赤ちゃんと同じようなリズムでのんびり過ごすとよいようです。

また、生後1ヵ月頃の赤ちゃんの睡眠は50%がレム睡眠(浅い眠りで身体は眠っているのに脳は活動している。大人の場合は15~20%)です。レム睡眠が多いのは赤ちゃんの脳のネットワークが2歳ごろまでに急速に作られるためといわれています。さらに、赤ちゃんの脳は前頭前野が発達してくるとイヤイヤ期が落ち着いてくるなど、時間をかけて大人の脳・睡眠に変化していきます。人間は脳を高度に発達させたために、脳の発達過程で睡眠にも大きな変化があるのです。

のんびり過ごしながら、ママも赤ちゃんも朝には光を浴び、ご飯をしっかり食べて(赤ちゃんは授乳)体内時計をリセットすることが、何よりも身体のリズムやホルモン分泌を整えます。そして夜は、寝る前は暗めの照明にし、テレビやパソコン・スマホの画面の明る過ぎる光は避けたほうが質のよい睡眠が得られるということです。