誰かを励ましたいとき、一番よく使う言葉は『頑張って』ではないでしょうか?『頑張る』の意味は「持てる力をフルに出して、努力する(三省堂新明解国語辞典)」で、語源には『我に張る』ともあります。これには「あることを成し遂げようと困難に耐えて努力する・自分の意見を強く押し通す(大辞林)」という意味合いがあるようです。気軽に使っていますが、大変な努力と意思が伴わなければできないことです。
 時にはこの言葉をかけられて、困惑する方もいらっしゃるようです。例えば、これから手術を受けるという時にこの言葉をかけられて、「まな板の鯉になっているのに、どう頑張ればいいの?」と憤りを感じたり、子育てで疲れきっているママが「もうギリギリまで頑張っているのに、これ以上どう頑張れって言うの?」と悲鳴をあげたりします。場合によって「頑張って」はキツイ言葉がけになっているのですね。
 中国語ではだれかを応援したいとき、「加油(チャーヨー)」と言うそうです。直訳すると「油を足してね」です。油はエネルギーで、つまり、「エネルギーを足して、自分の力を出し切ってね!なんとか乗り切ってね!」ということのようです。実際に何か食べるものをさし出しながらこの言葉をかけることもあるそうです。厳密には発音が違うようですが、「油(ヨー)」の音が余裕の「余(ヨ)」の音を連想させて、「エネルギーといっしょに余裕も足してね」といったニュアンスに受け取れますね。
 子育ては長期戦です。「頑張って」ばかりでは息が切れてしまいます。しっかり食事をして、時には自分へのごほうびにおやつも食べて、余裕を持ってのぞんでくださいね。加油!