「哺乳量が少ない」「離乳食が進まない」「子どもに食べる意欲がない」といったご相談をよくいただきます。このようなお子さまが「飲まない・食べない」相談は、月齢や季節に関わらず常にあります。病気が疑われる場合は医療機関を受診されるため、エンゼル110番へお電話いただく時はお子さん自身が元気にしている場合がほとんどです。それでもお電話をくださるパパやママは「これでは大きくならないのでは」と、とても心配そうです。特に1歳を過ぎての離乳食完了期や1歳半からの幼児食期での「食べない」悩みは深いようです。

でも、大人だって小食の方もいますよね。パパやママも小さい頃には「食べなかった」のかもしれません。また、母乳やミルクの飲みすぎで離乳食や食事が必要ないくらいおなかがいっぱいになってしまっていることもあります。お話を伺ってお子さまに大きな心配の可能性が低そうな時は、逆にママやパパの方が心配になることがあります。「ママご自身は召し上がれていますか?」と伺うと「子どもが心配で、私も食欲がなくて」と言うママが多いです。たまに「私はきちんと食べています」というママにも「ご自身はお食事を楽しんでいますか?」と伺うと「楽しむ?そんな余裕ありません」と応えが返ってきます。

確かに子育ての時期は目が回るほどの忙しさでしょう。自分の食事は後回しにして、忙しい合間にサッとすませるのが精いっぱいかもしれません。それに妊娠してからは「赤ちゃんのために」「良い母乳のために」と食事指導を受けて「食事を楽しむこと」が二の次になってしまっていても無理はありません。でも、本来食事は楽しいものです。長引くコロナ禍で乳幼児を連れての外食は難しくなってしまいましたが、せめてご家族とのお食事や一人の時のお食事を楽しんでください。

あなたのお好きな食べ物はなんですか?手軽に手に入るものなら、一人でじっくり味わってみましょう。妊娠中、授乳中と我慢してきたものはありませんか?お子さまが1歳を過ぎていたら、もう我慢する必要はありません。たまには自分を甘やかして好きな食事をとってくださいね。「食事の楽しさ」を伝えることは食育の大切なポイントです。ママがおいしそうに食べていたら、パパとママが楽しそうにお食事していたら、お子さんもきっと「食べること」に興味を持つと思いますよ。

さあ、おいしく召し上がれ!