『腰』という漢字は肉体を表す部首の「月(にくづき)」と、最も大切なものという意味の「要(かなめ)」が組み合わさってできています。文字通り『腰』は体の中でとても大切な部分なのです。
 妊娠前に腰痛の経験がなかったママでも産前、産後の運動不足や、毎日赤ちゃんの世話をする中でいつの間にか腰を痛めてしまったり、以前の腰痛が再発したりするママもいるようです。腰の痛みで育児や日常生活に支障が出るようなことがあっては大変です。授乳やおむつ替え、抱っこなど腰痛を起こしやすい動きが多いこの時期だからこそ、日頃から腰痛を予防するように心がけましょう。

=腰痛を予防するためのチェックポイント=

①授乳や抱っこのときにいつも同じ姿勢で座っていませんか?

 座った姿勢がいつも同じポーズになると体の重心が偏り1ヵ所に力がかかるので、腰の痛みが出やすくなります。時々姿勢を変えて、できるだけ重心が均一になるようにしましょう。左右のお尻にかかる重さの負担を均等にしてくれる、市販の腰痛防止クッションを使うのもよいでしょう。

②授乳やおむつ替えなどで、いつも前かがみ(猫背)になっていませんか?

 授乳のときは赤ちゃんが乳首をくわえやすくしたいと思うあまり、つい前かがみの姿勢を続けてしまうことがありますが、乳首を押し付けることになってかえって飲みにくくなってしまいます。授乳用のクッションや枕を使い、赤ちゃんをママのウエストくらいの位置にしてみましょう。この姿勢のほうがママの乳首を深くくわえられるので飲みやすくなります。そしてママも、前かがみの姿勢になりにくいので腰痛の予防になります。おむつ替えのときも、座布団や布団を敷いたり、机やベッドの上を使ったりして、できるだけ猫背や中腰にならないように工夫しましょう。

③抱っこをするときに、立ったまま膝を伸ばした状態で抱き上げていませんか?
 
赤ちゃんや小さい子どもを抱っこするときや、布団の上げ下ろしなどで重い物を持ち上げるときは特に注意が必要です。必ず膝を曲げ、腰を下ろした状態でゆっくり抱き上げるようにしましょう。

 どんな場合でも長い間同じ姿勢を続けると、腰に負担がかかって疲れをためる原因になります。疲れや痛みを感じる前に時々背伸びをしたり、腰を軽く動かしたりして緊張をほぐしましょう。また、体が冷えることもよくありません。寒い季節や冷房で冷えたときなどは、ぬるめのお風呂でゆっくり体全体を温めて、血行をよくすると効果があります。
 それでも腰痛を感じることが多く、痛みがひどくなったり、日常生活に困ることがあるときには早めに整形外科を受診して相談しましょう。