子どもが生まれて、初めて住んでいる地域の子育て環境に目を向けたという方も多いと思います。また、子どもにとってよりよい環境の地域への転居を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでエンゼル110番では子育てしやすい街の条件についてアンケートをとりました。(エンゼル110番レポート74号「子育てしやすい街の条件」)

 「子育てしやすい街」の条件を5つあげ、ママたちに選んでもらいました。最も多かったのは「行政支援の充実」で100人中75人があげています。

「現在、待機児童で困っているため」(埼玉県)、「一時保育も2歳以下は給食を挟んで、午前午後の預かりで3000円。収入に関係なく一律の金額で利用しにくい」(大阪府)、「隣の市は病児保育もあるし、求職中でも保育園に申し込め、収入制限はあるが無料で一時保育を利用できるらしい」(大阪府)など保育の問題や、「新生児訪問のときに『伺うのは1回限りで、後は何もないですから』と断言された。その通りで出向いてくることはない」(千葉県)、「心配性なので、複数回訪問してほしい」(埼玉県)といった各自治体の支援など、「行政支援の充実」についてのママたちの関心は高いようです。

 さて、アンケート結果では関心が高いと出ましたが、実際にお住まいの地域での行政支援内容をきちんと把握されていますか?行政の子育て支援制度について調べるには、自治体のホームページや、広報誌、地域の「子育てハンドブック」などで、次のようなことをチェックできます。
*全国の市区の行政サービスが無料で比較できるウェブサイトもあります。(http://www.seikatsu-guide.com/)

【自治体の乳幼児医療助成制度について】
 乳幼児の医療助成金制度については、対象になる子どもの年齢や親の所得制限など、自治体により差があります。
 例えば東京都の23区は、中学卒業まで所得制限なしで、通院・入院にかかった保険診療の自己負担分が助成されます。東京都の隣、神奈川県横浜市では、0歳から小学校3年生までは通院・入院の保険診療の一部自己負担金が助成されます。小学校3年生から中学生は入院の保険診療の一部負担金の助成のみです。そして、所得制限がないのは0歳のみで、1歳以降は所得制限があります。

【教育環境について】
 保育園、幼稚園の場所、保育時間などの他、保育園の待機状況、私立幼稚園の補助金も確認を。保育料も市区町村によってだいぶ違います。少し先になりますが、小中学校の学区域、選択制度も調べましょう。

【その他の子育て支援について】
 子ども家庭支援センター、ファミリーサポートセンター、児童館などのほかに、保育園解放、NPOの集い事業、キッズカフェなど、さまざまな形態がでてきています。
 東京都目黒区では、幼児を持つ親が安心してお店に入れるように、ベビーカーの置き場やおむつ替えのコーナーなどの設備を持っている「子育てカフェ」の運営を支援し、現在区内に2店舗あります。
 その他にも、区によっては子育て世帯の住み替え助成金制度があったり、協賛店で割引が受けられたりポイントが優遇されるサービスがあったり、要チェックです。

【保健サービスについて】
 地域の保健センターでは、健診、予防接種などのほかに、育児相談、離乳食講習会、発達支援グループなど、受けられるサービスが増えています。
 東京都板橋区では、講習を受けた栄養士を「離乳食訪問お助け隊」として生後5ヵ月から18ヵ月の乳幼児のいる家庭に派遣し、実際に離乳食をつくったり、アレルギーに配慮した献立のアドバイスをしています。また、子育てサポーター(板橋区子育て支援者養成講座2級課程修了者)が、生後1ヵ月半までに出生通知書が健康福祉センターに到着しない家庭を訪問しています。
                                                                   

転居を考えていらっしゃる方は、子育て支援について下調べしたら、あとは、公園などの遊び場、ベビーカーで歩く道の安全性などを実際目で見て確認しておきましょう。平日の昼間に行くと、子どもが多いかどうかなど町の様子がわかると思います。また、地域によって一時保育は希望者が多く「3ヵ月待ち」や、「月に1回」など、制度があってもいざというときに使えないということもあるようです。口コミ情報も集めてみるとよいですね。
*アンケートで、ママたちに伺った現在住んでいる地域のよいところと改善してほしいところを一覧にまとめていますので、参考にしてみてください。