蒸し暑く、過ごしにくい日本の夏。「猛暑日」(最高気温が35℃以上の日)、「熱帯夜」(最低気温が25℃以上の夜)という言葉がすっかり定着してしまいました。赤ちゃんはまだ体温調節が未熟ですので、熱中症、脱水症、うつ熱*などにならないよう、夏を賢く乗り切る工夫をしましょう。
 

*うつ熱:病気が原因ではなく、洋服の着せすぎ、布団のかけすぎ、車の中や暖房器具のそばなど高温の環境で、放熱がうまくいかずに高体温になること。

その1「エアコンを賢く使う」
 フィルターの掃除:フィルターが汚れていると埃やダニで、赤ちゃんの咳やくしゃみの原因になります。週1回程度掃除機でお手入れすると、冷房効率もアップして節電にもなります。
 扇風機を併用:冷気を循環させると、設定温度が高くても涼しく感じます。このときに、エアコンと扇風機の置き位置がポイントになります。例えば、部屋の角にエアコンが設置されている場合は対角線上の位置に扇風機を置くのがよいそうです。
 風向きを水平にする:エアコンの機種によりますが、多くはエアコン本体に温度センサーがついています。エアコンから出る冷気は部屋の空気よりも重いので、すぐ冷気は床上に溜まり、センサー付近の空気は暑いままです。そこで、風向きを水平にして冷気を上に噴出するとセンサー付近の温度が下がり、温度の下げ過ぎに役立ちます。
 室外機も涼しく:エアコンは室内機と室外機の間を冷媒が循環して、室内の熱を外に放出しています。そこで室外機に直射日光が当たらないようにする、周囲の荷物を片付けて風通しをよくするとよいでしょう。
 換気をする:換気機能や空気清浄機能がないエアコンでは時間が経つと室内の空気が汚れてきます。時々は窓を開けて換気をしましょう。

 赤ちゃんのために次のことに注意をしましょう。
 冷風を直接当てない:赤ちゃんが冷えすぎてしまいます。直接当たるところには寝かせないで。
 つけっぱなしにしない:3歳くらいまでは体温調節のため汗腺を発達させる時期です。朝、夕の過ごしやすい時間にはエアコンを止めましょう。
      
その2「水と仲よしになる」
 水遊び、行水(ぎょうずい):水のそばは涼しく、手や足を浸すだけでも気持ちがよいものです。水遊びはよい運動になり、あせもの予防にもなります。炎天下や長時間の水遊びは避ける、子どもから目を離さないなどの注意点を守って楽しみましょう。
 水分補給:汗をかくので水分が必要になります。あまり飲まないお子さんには、少量ずつ水分をこまめに与えましょう。ほしがるからといって冷蔵庫から出したての冷たい飲み物はNGです。
打ち水:道路や庭だけでなくベランダにも水をまくと気化熱で温度が下がります。朝、夕に水撒きを。

その3「便利グッズを利用する」
 すだれ、よしず:昔ながらのすだれやよしずは直射日光が入るのを防ぎ風は通す、すぐれものです。園芸用の遮光シート、緑のカーテンなどもおすすめ。
 保冷剤:太い血管が通っているところ(首の後、わき、そけい部、膝や肘の裏)を冷やすと効率よく冷えます。寝苦しい夜や授乳のときにも活躍します。ベビーカーのシートに使える「ひんやりクッション」やパットもあります。
  (注意!貼るタイプのものは剥がれる可能性があります。月齢の低いお子さんでは窒息や誤飲の危険もあるので、目を離さないようにしましょう。)
 遮熱グッズ:最近のカーテンやブラインドには遮光だけでなく、熱を防ぐものがあります。日傘もUV対策以外に遮熱効果のあるものが、最近は人気だそうです。また窓に貼る断熱シートもあります。
 冷却ジェル、スプレーなど:赤ちゃんには適さないものもありますので、使用法を守って使用しましょう。わからないことはメーカーに確認をすると安心です。