娘が孫を予防接種に連れて行くというので、保健所に行くのかと思ったら、近所のお医者さんだと言います。しかも有料と言うのです。予防接種は公費で推奨されているワクチンを集団で受けるのが一般的だと思いますが、自分でお金を払ってまで受ける必要があるワクチンてあるのでしょうか。(3ヵ月)

 じぃじばぁばの子育て時代には、予防接種といえば保健所(現・保健センター)や小学校などに行って集団で接種するイメージが大きいかもしれません。しかし最近では、自治体指定の小児科医で個々に接種を受けることのほうが多くなっています。都合のよいときに近所の小児科で受けられるので便利ですし、かかりつけの医師に継続して子どもの様子を診てもらえるメリットもあります。 
 また最近では、公費で受けられる定期接種の他に、自己負担で受ける任意のワクチンも増えています。乳幼児期にかかりやすい感染症には確実な治療法がなく、深刻な合併症を起こして命を落としたり後遺症を残したりする危険性の高い病気もあります。近年、こうした病気を予防するワクチンが開発されてきましたが、まだ政府や自治体の予算に組み込めないところが多く、自費で受けざるをえない状況があります。ただ、こうした任意のワクチンでも、部分的に助成する自治体も増え、接種は推奨されています。
 ワクチン接種には、3つの意義があるといわれています。
 ①自分(赤ちゃん)がかからないため
 ②もしかかっても、症状が軽くすむ
 ③自分(赤ちゃん)がかかって周りの人にうつさないため
  
 赤ちゃんや子どもはもちろん、大人も含め、推奨されているワクチンは積極的に接種して免疫をつけ、社会全体で病気の流行を防ぐことが大切だと思います。病気の流行を阻止するのは、赤ちゃんや高齢者などの免疫力の弱い人たちを守ることにつながります。
 近所の小児科で個々に都合のよいとき接種するようになったり、推奨されるワクチンが増えてそれが自己負担であったり、以前とは違うことがいろいろありますが、皆で適切なワクチンを受けて、世界から怖い病気の流行が撲滅されるとよいと思います。

*なお、子どもの予防接種についてさらに詳しく知りたい方は、’NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会‘のHPを参考にしてください。