ずっと右手でスプーンやフォークを使っていた子が、急に左手で上手に食べている様子を見て、「この子は左利き?」「左利き用の練習箸を準備したほうがよいか?」とご相談をいただくことがあります。

生後間もない赤ちゃんは、手を握りしめていることが多いですが、成長とともに手や指の細かい動きができるようになってきます。手に興味を持ち始める生後3ヵ月頃から両手を合わせる、5ヵ月頃には手でガラガラを握る、7ヵ月頃には左右の手で持ち替えられる、9ヵ月頃には左右の手に1つずつ持てる、12ヵ月頃には親指と人差し指でつまむ、というように赤ちゃんは時間をかけて手を動かす練習を重ねていきます。

1~2歳くらいの子どもを見ていると、右手で積み木をしていたかと思うと、左手で絵を描いているといった具合で、左右どちらの手も使っています。子どもの利き手がはっきりわかるのは、3~4歳頃といわれています。利き手が決まる前に、何回も利き手の交代があるとは面白いですね。

中には、ボールは左手で投げて、鉛筆や箸は右手というような子もいます。一卵性双生児でも、それぞれ左右に利き手が分かれるケースもあるようです。

左利きが矯正される時代もありましたが、最近では「その子の個性」として、そのまま受け入れるケースが多くなっているように感じます。どちらが利き手でも「本人が使いやすい方の手を使うことがストレスもなく一番」かもしれません